JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL

海外メディア芸術祭等参加事業

平成27年度

文化庁メディア芸術祭 海外メディア芸術祭等参加事業について


優れたメディア芸術作品を紹介するため、海外のメディア芸術関連のフェスティバル・施設において、文化庁メディア芸術祭の受賞作品を中心とした企画展の開催や上映、専門家によるプレゼンテーション等を実施しています。また、これらの活動を通じて、作家や専門家による現地での交流を促し、国際的な「メディア芸術」への理解と評価向上、文化庁メディア芸術祭の周知促進を行っています。


主催:文化庁
事業アドバイザー:
吉岡 洋(京都大学大学院文学研究科教授/美学・芸術学)
毛利 嘉孝(東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科准教授/社会学)
運営事務局:一般財団法人NHKインターナショナル




文化庁メディア芸術祭とは


文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルです。平成9年度(1997年)の開催以来、高い芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を顕彰し、受賞作品の展示・上映や、シンポジウム等の関連イベントを実施する受賞作品展を開催しています。昨年度[第18回]は、世界71の国と地域から3,853点の作品の応募があり、文化庁メディア芸術祭は国際的なフェスティバルへと成長を続けています。 また、文化庁では、メディア芸術の創造とその発展を図ることを目的に、文化庁メディア芸術祭の受賞作品を国内外で広く紹介する多彩な事業を実施しています。海外・国内展開や創作活動支援等の関連事業を通じ、次代を見据えたフェスティバルを目指しています。



文化庁メディア芸術祭の海外展開 今までの活動


2009年から始まった海外メディア芸術祭等参加事業は、現在まで、世界28か国64のフェスティバルや施設へ参加しています。また、2002年から2012年までは、5か国7か所で海外展を開催しました。

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出典:「平成26年度[第18回]文化庁メディア芸術祭 パンフレット」





参加者の声

<平成26年度>

楠見 清

(FILE2014 企画展「Where Heaven meets Earth」企画ディレクター)

地理的に日本からもっとも遠い地域に、日本人アーティストを派遣したことは人的交流において有形無形の意味をもつ。アーティストを派遣しなければ設置できなかった作品を現地で公開できたこと、また、作家・スタッフが比較的長期にわたって現地滞在することで得られた信頼関係は、長期的視点で見ても今後の日本のメディアアート全体に好影響をもたらすものであるに違いない。今回参画させていただいた企画者の立場から感じたことを言えば、このような機会に、他国・他地域の観客たちから日本のメディア芸術がどのように見られるか・見られるべきかを考案し、わかりやすいテーマ設定や効果的な展示方法について、日本側の関係者で話し合うことは大変有意義であった。あるテーマに基づいて組織する企画展には、対外的なプレゼンテーションと対内的なアイデンティフィケーションの2 つの機能がある。こういった作業を継続的かつ試行錯誤的に積み重ねていくことで、日本のメディア芸術は国際的に通じる学術的文脈のなかで、体系的にかたちづくられていく。アーティスト個々人の研鑽による「コンテンツ」に加えて、今回の企画展のように組織的で自覚的な「パッケージング」の有無が今後の日本のメディア芸術の将来を左右するといってもいい。

中尾 智路

(インドネシア企画展「クリストビオシス:世界の種」企画ディレクター)

インドネシアのバンドンで企画展を開催できたことは、文化庁メディア芸術祭にとって、ささやかもしれないが次につながるチャレンジだったのではないだろうか。展覧会に関わる現地スタッフやアーティスト、オープニングのときの観客の反応などを見て、日本の大衆文化やデジタルアートに対する彼らの関心が非常に高いことが改めてわかった。この企画展がインドネシアの若いアーティストたちの潜在能力を鼓舞したとするなら、素晴らしい一歩になったのではないかと思う。

山口 崇洋(やんツー)

(第15 回アート部門新人賞・インドネシア企画展「クリストビオシス:世界の種」参加)

初めてのインドネシアでの展示では多くのことが予想外/予想以上で本当に圧倒されてしまいましたが、決してネガティブな印象ではなく、むしろポジティブで、特別な経験ができたと思っています。本展参加の地元の若いアーティストやコーディネーターたちと交流を持てたのも良かったです。

森 翔太

(第16 回エンターテインメント部門審査委員会推薦作品・アルスエレクトロニカフェスティバル「Future Innovators Summit」参加)

アルスに参加したことで、今後の創作のヒントみたいなものを沢山いただきました。海外アーティストの作品展示の仕方や、一緒に参加したスケルトニクスや和田さんの作品からも影響を受けました。英語ができないのを悔しいと思ったのは初めてだったので、帰国後も出会ったアーティストとFB などで交流し、FIS でやったことを実施しようって盛り上がっています。
<平成25年度>

山峰 潤也

(Waterpieces 2013 企画展「Seeking the form of Anima」企画ディレクター)

風土、歴史、アートを取り巻く状況など、情報が日本に入ってこないラトビアでの発表とあり、自分も含めた参加者はそれぞれ多いに刺激を受け、連日議論し、体験を共有することが出来た。現地の関係者、観客ともコミュニケーションをはかることができ、参加した若手作家の今後の活動や価値観を広げる機会となった。